人生100年時代と言われてからコロナ禍のなか巣ごもり状態が3年強続き2023年4月頃からインバウンド旅行者が急増、観光地は勿論のこと、東京都内の公園、繁華街に旅行者が押し寄せています。喜ばしい状況とみて良いのでしょうが・・?
私も80歳に手が届くようになり、新聞、ニュース等の訃報記事で有名人の年齢が気になるようになってきました。80歳代から90歳を超える年齢が多いようです。私は勝手に人生八十八年がその人の人生の集大成、節目と感じています。
そのような時に東急沿線の月刊コラム誌「SALUS・サルース」に連載されている「宇宙のカケラ」(理学博士佐治晴夫氏の連載エッセイ)に目がとまりました。人生100年時代の今を生き抜くために宇宙に学ぶ人生の歩き方のコメントです。
佐治晴夫氏のコメントのなかで、とても興味深い内容があります。それは8と言う文字、数字の不思議さについてです。8を横に寝かせば「∞」無限大の記号となり2次元世界の「メビウスの帯」を現しています。この文字が二つ並ぶ88はどうでしょうか?
88を漢字で書けば八十八、「米」となり、末広がりの目出度さから米寿即ち長寿と称えられています。また、立春から八十八日目に摘むお茶の葉を「八十八夜の新茶」として新しい季節の到来を祝福して味わうようになりました。原始仏教での「88個の煩悩」を滅するための「お遍路」は「四国八十八カ所巡り」とされています。なお、ピアノの鍵盤の数も88、さらに天文学で決められた星座の数も88となっています。ここまで見ても88の文字は不思議な数字と思われ、人生の大切な節目の年次と言って良いのではないでしょうか?
今年1月に88歳を迎えた佐治晴夫氏の考える「Well-beingな生き方」を引用します。
(イ) ご自分に「今日も一日おつかれさま」と声をかけてあげましょう。
(ロ) 自分の価値観を一時棚上げして「相互理解への第一歩」として豊かな人間関係を築きましょう。
(ハ) 病になっても「今できること」を精いっぱい楽しんで過ごすことを心掛けましょう。
(ニ) 「老いても老いないというパラドックス」は「遊びにも学びにも」常にチャレンジすることを心がけましょう。
(ホ) 学び続けることが活力を生み出します。
つまり、人はいくつになっても「自分自身からの引退は出来ない」というのが人生であって、その基本が学びなのです。
これは、人にとっても、不動産鑑定業に携わる私達にとっても、とても大切なことであり、日常業務に役立てたいと願っています。
なお、興味のある方は佐治晴夫氏の著作をご覧下さい。
株式会社ビル経営研究所の「週刊ビル経営」より転載(許諾済)