この2か月ほどの間に、いくつかのリゾート地・観光地を訪れる機会がありました。北海道の富良野スキー場、京都、沖縄県の石垣島です。
富良野スキー場を訪れたのは2月末の平日です。久しぶりだったので、昔行った時のことを思い出して、シーズンではあるけれどそれほど混んではいないだろうと思っていたのですが、今回は違いました。山頂近くまで行くロープウェイがあるのですが、結構行列ができており、特に海外からのスキー客が多くみられました。外見や話している言葉から、ざっと、欧米人3割、中国・韓国人3割、残りが日本人という感じです。ホテルでも、聞こえてくるのは日本語より韓国語や中国語が多いような印象でした。ニュースでは見聞きしていましたが、これほどとは思っていなかったので驚きました。地域の地価との関連をみてみると、令和6年の地価公示では、富良野市内の他の住宅地・商業地は前年比横這いであったのが、富良野スキー場に近い北の峰町の地点で前年比プラス27.9%の大幅な上昇となっています。
京都へ行ったのは、ちょうど桜の花が満開の頃です。ここはもう予想はしていたのですが、混雑ぶりは予想以上でした。特に海外観光客の多さはすさまじく、京都駅のみどりの窓口は長蛇の列で、特に欧米人の観光客が目立ちました。地下鉄の中でも色んな言語が飛び交っている状況でした。令和6年の地価公示でも、京都駅周辺の商業地は、前年比13~17%の上昇と大幅な上昇となっています。
石垣島へ行ったのは春休みのあと少ししてからです。ここについても、春休みとゴールデンウイークのはざまの平日なので、それほど混んではいないだろうと高を括っていたのですが、これも見事に予想は外れ、多くの観光客でにぎわっていました。行きは直行便、帰りは那覇空港乗り継ぎの飛行機でしたが、どれもほぼ満席、当然スーツ姿の人などおらず、ほぼ全て観光客と見受けられました。空港ロビーでも個人旅行の人のほか、添乗員に引率された団体客などもいて、これから島内へ向かう、あるいは帰路に就く人々で狭いロビーがとても混雑していました。令和6年の地価公示でも、2か所の商業地はそれぞれ前年比プラス3.3%、6.3%ですが、住宅地は前年比約12%の大幅な上昇となっています。
インバウンドや国内観光の盛り上がりに伴ってこのような観光地の地価も大きく上昇しているということは情報としては知ってはいましたが、日々の暮らしに追われる中で、どこか実感の湧かないものでした。しかし、今回これらの観光地を訪れたことで、その盛況ぶりを目の当たりにし、改めて納得した経験でした。
株式会社ビル経営研究所の「週刊ビル経営」より転載(許諾済)